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JGCプレミア改悪?「JMBプレミア」へ変更。JGC不要になる一方、サービスセレクション終了・マイル有効期限復活【2027年改定】

航空・飛行機

JGP、かなり変わります。しかも今回いちばん気になるのは、単に特典が減ることだけではありません。「取りやすくなる=そのステイタスの希少性や特別感も下がる」という点です。

現在の「JGCプレミア」は、2027年1月1日搭乗分からJALグローバルクラブ(JGC)への入会条件が撤廃され、名称も「JMBプレミア」に変わります。

JGCに入っていなくても年間の搭乗実績だけで到達できるようになるため、入口のハードルは明確に下がります。ただ、上級会員制度は「取りやすさ」だけで価値が決まるものではありません。到達者が増えやすくなれば、それだけ希少性や『そこまでして取りに行く理由』も薄くなります。

しかも今回は、ハードルを下げるだけではなく、同時にJGPを維持する理由になっていた特典まで削られます。「門戸を広げた分、価値も薄くする」方向に見えるのが、今回の改定で一番引っかかったところです。

サービスセレクションは対象外。これにより、パートナーステイタスで家族にJGP相当のステイタスサービスを付けていた人は、その大きな旨味まで失います。さらに、JGCプレミアの大きなメリットだったマイル有効期限の無期限化も対象外。空港空席待ちは「優先」のままですが、その上にダイヤモンドメタル向けの「最優先」が新設されます。

私自身、現在JGCプレミアを使っていますが、発表を見て最初に思ったのは正直「JGP改悪かぁー。取りやすくする代わりに、価値まで下げるのか」でした。

一方で、10,000マイルのボーナスマイルが新設され、ファーストクラスラウンジ、専用保安検査場、優先搭乗、ワンワールド「エメラルド」といった搭乗時の主要サービスは維持されます。

もちろん10,000マイルの新設など改善点もあります。ただ、JGCプレミアを実際に使ってきた側から見ると、今回の変更はかなり「改悪寄り」です。入口を広げれば到達者は増えやすくなり、ステイタスの希少性は下がる。そのうえで、これまで「毎年8万FOPまで乗ってJGPを維持する理由」になっていた特典まで削られています。

言い換えると、「取りやすくする代わりに、ステイタスそのものの希少性と、取った後のおいしさの両方を薄くする」制度変更。新規に目指す人には門戸開放ですが、既存のJGCプレミア会員から見ると「ハードルが下がったのに、特典まで減る」という二重の価値低下に見えます。

まず結論:JGCプレミアからJMBプレミアへ何が変わる?

項目 現在のJGCプレミア 新しいJMBプレミア
年間FOP基準 80,000FOP(うちJALグループ便40,000FOP) 同じ
回数基準 80回(うちJALグループ便40回)+25,000FOP 同じ
JGC入会 必要 不要
名称 JGCプレミア JMBプレミア
サービスセレクション 対象 対象外
マイル有効期限 ステイタス期間中は無期限 JMBプレミア単独では無期限対象外
ボーナスマイル ― 10,000マイル新設
空港空席待ち 優先 優先。ただしダイヤモンドメタルが「最優先」
ファーストクラスラウンジ 利用可 引き続き利用可
ワンワールド エメラルド エメラルド継続

達成基準の変更は2027年1月1日搭乗分から。一方、サービスセレクションやマイル有効期限などの特典変更は、2027年の搭乗実績をもとにした2028年度FLY ONステイタス会員から適用されます。

公式:JAL「FLY ON ステイタス基準およびサービス内容の一部変更について」

JGCがマストではなくなる。ハードルダウンは「価値の希薄化」とセット

まず改善点から。

これまでJGCプレミアは、その名の通りJALグローバルクラブ会員であることが前提でした。ところが新制度では、この条件がなくなります。

年間80,000FLY ONポイント(うちJALグループ便40,000FLY ONポイント)以上、または80回(うちJALグループ便40回)以上かつ25,000FLY ONポイント以上という搭乗条件そのものは変わりません。

つまり、これからは「JGCに入ってから、その上のJGCプレミアを目指す」のではなく、搭乗実績だけで直接JMBプレミアになれる形になります。

制度としてはかなり分かりやすくなりました。

ここからが大きな改悪。サービスセレクション終了で「家族JGP相当」もなくなる

ここはかなり大きいです。

現在のJGCプレミアとJMBダイヤモンドには「サービスセレクション」があり、e JALポイントやパートナーステイタスなど、複数の選択肢から自分に合う特典を選べます。

特に大きいのがパートナーステイタスです。現在はサービスセレクションでこのコースを選ぶと、配偶者・同性パートナーや、JALカード家族プログラム/JALファミリークラブに登録している家族など、対象となるパートナーに本人と同様のFLY ONステイタスサービス(サービスセレクションを除く)を付けられます。

新しいJMBプレミアでは、このサービスセレクションが対象外になります。

その代わり、JMBプレミアには10,000マイルのボーナスマイルが新設されます。

ステイタス 新設ボーナスマイル
ダイヤモンドメタル 30,000マイル
JMBダイヤモンド 20,000マイル
JMBプレミア 10,000マイル

10,000マイルが新設されるのはプラスです。ただ、正直ここは「サービスセレクション廃止の代替としては弱い」と感じます。

サービスセレクションは「何に価値を感じるかを自分で選べる」のが強みでした。中でもパートナーステイタスを使っていた人への影響はかなり大きいです。本人がJGCプレミアを維持することで、家族側にもJGP相当のステイタスサービスを持たせるという使い方ができていたため、家族でラウンジや優先サービスの恩恵を受けていた層にとっては、この仕組みがなくなるだけでJGPを維持する旨味がかなり薄くなります。

もちろん新設される10,000マイルはプラスですが、家族1人分の上級会員サービスを実質的に付けられるパートナーステイタスと比べると、価値の性質がまったく違います。「家族のJGP相当サービスを維持するために自分が8万FOPまで乗る」という人にとっては、今回のサービスセレクション終了は、単なる特典整理ではなくJGPを維持する理由そのものが消えるレベルの改悪だと思います。

さらに痛い。マイル有効期限「無期限」もJMBプレミアでは終了

個人的には、ここもかなりインパクトがあります。

現在のJGCプレミアとJMBダイヤモンドは、ステイタス期間中、保有マイルの有効期限がなくなります。

しかし2028年度以降のJMBプレミアは、マイル有効期限廃止の対象外になります。

ただし、「JMBプレミアになったら全員3年に戻る」という意味ではありません。

保有ステイタス等 マイル有効期限
JGC Six Star / Five Star / Four Star 無期限
JGC Three Star / JMB elite / JMB elite plus / JAL CLUB EST 5年
一般JMB会員 3年

つまり今後は、JMBプレミアだから無期限なのではなく、自分が持っているStarグレードやJALカード等に応じた有効期限が適用されます。

JGCプレミアを毎年維持していれば、保有マイルの失効を気にしなくてよかった。この安心感はかなり大きなメリットでした。それがJMBプレミア単独ではなくなるので、ここは明確な改悪です。大量にマイルを貯めている人ほど影響を感じやすい変更だと思います。

空席待ち優先はなくならない。ただ「最上位」ではなくなる

ここは少し誤解しやすいところです。

新しいJMBプレミアでも、国内線・国際線の空港空席待ちは引き続き「優先」です。

ただし、ダイヤモンドメタルに新しく「最優先」が設定されます。

ステイタス 空港空席待ち
ダイヤモンドメタル 最優先
JMBダイヤモンド 優先
JMBプレミア 優先

なので「JMBプレミアの空席待ち優先がなくなる」という表現は正確ではありません。

正しくは、今まで最上位クラスだった優先扱いの上に、さらに一段上ができるという変更です。

ファーストクラスラウンジ・ワンワールド エメラルドは維持

一方で、今回JALがかなり明確に残すと書いているのが、実際に飛行機へ乗るときの主要サービスです。

JALは、ファーストクラスラウンジ、ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場、前方座席指定、優先搭乗、ワンワールド「エメラルド」などについて、今後も変更なく利用できると案内しています。

つまりJMBプレミアでも、ワンワールド エメラルドとファーストクラスラウンジという「飛行機に乗るときの強さ」はかなり残るわけです。

ここまで削っても、この2つを残したのはかなり重要だと思います。

Marriott Bonvoy提携でJMBプレミアは増えやすくなる?

そして今回の制度変更を考えるとき、無視できないのが2026年7月に始まったJALとMarriott Bonvoyの戦略的パートナーシップです。

Marriott Bonvoy会員はJALとのアカウント連携によって、ステイタスに応じたFLY ONポイントを毎年受け取れます。

Marriott Bonvoyステイタス 毎年のFLY ONポイント
一般会員 2,000FOP
シルバーエリート 5,000FOP
ゴールドエリート 10,000FOP
プラチナエリート 20,000FOP
チタンエリート 30,000FOP
アンバサダーエリート 40,000FOP

公式:JALマイレージバンク&Marriott Bonvoy ステイタスマッチ

以前、この提携については別記事でも詳しくまとめています。

JAL×Marriott Bonvoy提携、正直かなり温度差あり。マリオット→JALは大盤振る舞い、JAL→マリオットはちょっと渋くない?

ここで重要なのは、Marriott BonvoyからもらえるFOPだけでJMBプレミアになれるわけではないことです。

JMBプレミアには80,000FOPのうち、JALグループ便40,000FOP以上という条件が残ります。

ただ、アンバサダーエリートなら毎年40,000FOP。そこにJALグループ便40,000FOPを積めば、合計80,000FOPになります。

つまり理論上は、Marriott 40,000FOP+JALグループ便40,000FOPでJMBプレミア基準に届く形です。

プラチナでも20,000FOP、チタンなら30,000FOPが毎年入ります。JGC加入条件までなくなることを考えると、これまでよりJMBプレミア到達者が増えやすい環境になる可能性は十分あります。

ANAのSFC改定と比較すると、両社の方向性の違いが面白い

そして今回どうしても比較したくなるのが、ANAのスーパーフライヤーズカード(SFC)制度変更です。

ANAは2028年4月から、SFCを年間のANAカード・ANA Pay決済額によって「SFC PLUS」と「SFC LITE」に分けます。

年間300万円以上ならSFC PLUS、300万円未満ならSFC LITEです。

そして2026年9月の再改定で、SFC LITEでも国内線ANAラウンジは混雑時を除き利用可能、国際線では羽田・成田・ホノルルのANAラウンジをANAグループ運航便利用時に利用できる形へ修正されました。

ただしスター アライアンスのステイタスは、SFC PLUSがゴールド、SFC LITEがシルバーです。

公式:ANA「スーパーフライヤーズカードのサービスについて」

JAL ANA
今回の主な再設計 JGCプレミアをJMBプレミアへ。JGC条件を撤廃 SFCをPLUS / LITEに2階層化
主な判定軸 年間の搭乗実績 年間300万円のカード・ANA Pay決済
上級アライアンス資格 JMBプレミアはワンワールド エメラルド維持 PLUSはスター アライアンス・ゴールド、LITEはシルバー
ラウンジ JMBプレミアの主要ラウンジサービス維持 LITEもANAラウンジは条件付きで利用可
特徴 入口を広げつつ一部特典を整理 カード利用額でサービス水準を分ける

アプローチはかなり違います。

ANAは「SFC会員であり続ける」仕組みは残しつつ、毎年の決済額で中身を分ける。

JALはJGCプレミアをJGCから切り離して、搭乗だけで到達できるJMBプレミアにする。その代わり、サービスセレクションやマイル無期限といった付加価値を削る。

両社とも、「上級会員制度の中で、どのユーザーにどのサービスを提供するか」をかなり細かく再設計してきた印象です。

「ANAの発表を見て、これなら行ける」とJALも出してきた?

タイミングを見ると、どうしてもそんなことを考えてしまいます。

ANAが9月にSFC制度の再改定を発表し、その直後にJALから今回の発表。

「ANAがここまで変えるなら、JALもこれくらいはいける」と判断したのでは……と想像したくなります。

ただし、これはあくまで私の推測です。JALがANAの発表を受けて今回の制度変更を決めたという事実は確認できません。

こうした制度変更は企画・システム・規約変更などの準備期間も必要なので、以前から並行して検討していた可能性も十分あります。

JALひとすじの人でないと、JMBプレミアを目指す意味は少し薄くなったかも

今回の変更で私が一番感じるのはここです。

JMBプレミアになるためには、結局JALグループ便だけでも40,000FOPが必要です。

そこまでJALに乗る人なら、ファーストクラスラウンジ、専用保安検査場、優先搭乗、ワンワールド エメラルドは強い。

一方で、サービスセレクションがなくなり、マイル無期限もJMBプレミア単独ではなくなり、空席待ちにはさらに上位ができます。

そのため、「80,000FOPまで頑張ってJGPを取りに行く理由」は、以前よりかなり弱くなったように感じます。ファーストクラスラウンジやワンワールド エメラルドは残るものの、「そこまで乗るからこそ得られた上乗せ特典」が確実に減っています。

普段からJAL・ワンワールド中心なら引き続き非常に強いステイタスです。

ただ、ANA、JAL、海外航空会社をその時々で使い分ける人が「JMBプレミアのためにもう少しJALへ寄せるか?」と考えたとき、以前より迷いやすくなったのは確かだと思います。

今後気になるのはファーストクラスラウンジの混雑

ここからは完全に私の予想です。

今回の発表時点では、JMBプレミアでもファーストクラスラウンジなどの主要な最上位サービスを引き続き利用できます。JAL自身が「今後も変更なく」と明記しています。

なので、現時点で「JMBプレミアはファーストクラスラウンジを使えなくなる」という事実は一切ありません。

ただ、JGC加入条件がなくなり、Marriott Bonvoyから最大40,000FOPが入り、JMBプレミアでもワンワールド エメラルドとファーストクラスラウンジが維持される。

もしこれによってJMBプレミアの人数が大きく増えれば、次に問題になるのはラウンジのキャパシティではないか、とは思います。

将来的に「ファーストクラスラウンジはダイヤモンド以上」「JMBプレミアは別の運用」といった線引きが入る可能性まで考えてしまいますが、これは現時点では私の予想にすぎません。

むしろ今回の公式発表では、ファーストクラスラウンジを含む主要サービスは維持すると明記されています。

まとめ:取りやすくなった。そのぶん「JGPの価値」は明確に薄くなった

今回のJGCプレミア改定。

最初に見たときは「これは改悪だな」と思いました。細かく整理しても、やはり既存のJGCプレミア会員にとっては改悪色が強い変更だと思います。

JGC入会条件がなくなり、年間の搭乗実績だけでJMBプレミアになれる。10,000マイルも新設。ファーストクラスラウンジ、優先搭乗、専用保安検査場、ワンワールド エメラルドなど、飛ぶときの大きなメリットは残ります。

その一方で、サービスセレクションは終了。特に痛いのがパートナーステイタスで、家族にJGP相当のステイタスサービスを付ける使い方ができなくなる点です。JMBプレミア単独ではマイル無期限にもならず、空港空席待ちはダイヤモンドメタルがさらに上位になる。JGPを維持することで得られていた「特別扱い」が一段ずつ削られているように見えるのが、今回いちばん残念なところです。

さらにMarriott Bonvoy提携で、これまでよりJMBプレミアへ届く人が増える可能性もあります。

なので一言で表すなら、「JGCプレミアという特別感の強い上位資格」から、「より多くの人が到達できる代わりに、希少性も特典も薄くしたJMBの上位ステイタス」への再設計です。ハードルが下がったことだけを見れば改善ですが、ステイタス価値まで含めて考えると、既存JGPユーザーにはかなり厳しい変更だと思います。

JALひとすじで頻繁に乗る人なら、引き続きかなり魅力的。

一方、複数社を使い分けながらJGPを目指していた人にとっては、「そこまでして80,000FOPを目指す必要があるかな?」と一度考え直す制度変更になった気がします。

そしてJMBプレミアが増えたあと、ファーストクラスラウンジを含む最上位サービスが今後どうなるのか。

私はそこを次に注目したいと思います。

参考・公式情報

・JAL:FLY ON ステイタス基準およびサービス内容の一部変更について
・JAL:JALマイレージバンク&Marriott Bonvoy ステイタスマッチ
・ANA:スーパーフライヤーズカードのサービスについて

※本記事は2026年9月30日時点の公式発表をもとに作成しています。今後、サービス内容や運用条件が変更される可能性があります。

アイキャッチ写真:D YQ / Unsplash

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