【2026年8月28日】モバイル業界ニュースまとめ 楽天モバイルのAI・衛星構想とHISモバイルの新料金
2026年8月28日のモバイル業界ニュースをまとめます。
この日は「新機種がどーん!」という日ではなかったものの、楽天モバイルのAI・衛星通信、HISモバイルの新料金、KDDIのAIネットワーク、ドコモの災害対策など、今後の通信業界につながる話題が並びました。
個人的に一番気になったのは、やはり楽天モバイル。
単純な料金競争だけではなく、Rakuten Link、AI、ホームルーター、衛星通信まで含めて「楽天モバイルを使う意味」を広げようとしているのが見えてきました。
楽天モバイル、AI・Rakuten Link・衛星通信の未来を紹介
楽天モバイルは8月28日、「Rakuten AI Optimism 2026」の公式レポート前編を公開しました。
イベント自体は8月5日から7日にパシフィコ横浜で開催されており、今回の記事では、楽天モバイルブースで展示された次世代のモバイル体験が紹介されています。
主な展示内容は、以下の通りです。
- AIを使った料金・節約額シミュレーション
- Rakuten Turbo 5Gとスマートホーム製品の連携
- AIアバターによるサービス案内
- Rakuten Linkの通話自動文字起こし・要約
- 低軌道衛星を使った衛星直接通信
- AIによるモバイルネットワークの省電力化
中でも、実際の利用者に近い機能がRakuten Linkの通話自動文字起こし・要約です。
AIが通話内容を文字に起こし、重要なポイントをまとめてくれるため、仕事の電話や予約、問い合わせ内容を後から確認しやすくなります。
楽天モバイルは、低軌道衛星と通常のスマートフォンを直接接続する「Rakuten最強衛星サービス」についても、2026年第4四半期の提供開始を目指しています。
ただし、使用する周波数帯、利用可能な時間、料金などは現時点で未定です。
あすぱらの独自解説
個人的には、Rakuten Linkが「無料通話アプリ」から、楽天モバイルのサービスをまとめる中心的なアプリへ変わってきているのが面白いと思っています。
国内通話無料だけでも十分に強いのですが、文字起こしや要約まで実用的に使えるようになれば、他社の料金プランとは単純比較できない価値が出てきます。
料金、契約管理、通話、メッセージ、AIがRakuten Linkに集まっていけば、楽天モバイルの使い勝手はかなり変わりそうです。
衛星通信については、いきなり全国どこでも高速通信ができるものを期待するのは少し早いでしょう。
それでも、山間部や離島、災害時など、これまで圏外になりやすかった場所を少しずつカバーできるようになれば、楽天モバイルにとって大きな武器になると思います。
HISモバイル、30GB月額1,999円の新料金プラン
HISモバイルは、新料金プラン「自由自在3.0プラン」を発表しました。
提供開始は2026年9月17日午前10時を予定しています。
主な月額料金は以下の通りです。
| データ容量 | 月額料金 |
|---|---|
| 3GB | 770円 |
| 7GB | 990円 |
| 10GB | 1,299円 |
| 20GB | 1,699円 |
| 30GB | 1,999円 |
20GBと30GBのプランには、1回6分以内の国内通話かけ放題が含まれます。
さらに、海外130以上の国・地域で利用できる「4GB・15日間」の海外eSIMを、1電話番号につき年1回利用できる特典も提供予定です。
海外eSIM特典は2026年10月1日からの開始が予定されています。
あすぱらの独自解説
30GBで月額1,999円、しかも6分かけ放題込み。
これは素直に安いです。
毎月20GBから30GB程度でほぼ固定されている人や、サブ回線を安く持ちたい人には、かなり強い選択肢になりそうです。
一方、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」は、月間データ利用量によって料金が自動的に変わります。
- 3GBまで:月額1,078円
- 20GBまで:月額2,178円
- 20GB超過後:月額3,278円でデータ無制限
Rakuten Linkを使えば、対象外番号を除く国内通話も無料です。
30GB以内に収まるならHISモバイルの方が安いですが、利用量が月によって変わる人や、30GBを超えて使う人は楽天モバイルの方が分かりやすいでしょう。
HISモバイルは年1回4GBの海外eSIM、楽天モバイルは海外指定100以上の国と地域で毎月2GBまでプラン料金内という違いもあります。
年に1回の海外旅行ならHISモバイル、海外へ何度も行く人やデータ無制限まで使いたい人なら楽天モバイル、という選び方になりそうです。
KDDI、AIが自動運転向けの通信品質を調整
KDDIとみちのりホールディングスは、AIが通信品質を自律的に最適化する技術を、自動運転バスで試す実証を発表しました。
実証場所は茨城県日立市。
2026年9月1日から10月末までの期間中、7日間程度のデータ取得を予定しています。
複数のAIが基地局の設定を自動調整し、以下の効果を確認します。
- 5Gの接続性や電波品質の改善
- ネットワーク設計・調整作業の削減
- 自動運転車両の遠隔監視映像の安定化
- 遠隔監視業務の負担軽減
自動運転バスでは、車両の映像や状態を遠隔地へ送り続ける必要があります。
通信が不安定になると安全な運行にも影響するため、スマートフォン以上に「通信が途切れないこと」が重要です。
あすぱらの独自解説
楽天モバイルがRakuten Linkなどの利用者から見える部分にAIを入れているのに対して、KDDIはネットワークの裏側をAIで動かそうとしています。
基地局の設定をAIが自動調整できれば、エリアごとの電波状況に合わせて、より細かく通信品質を改善できるようになります。
ただし、今回はあくまで実証開始の発表です。
実際にどの程度通信品質が改善したのか、ネットワーク調整の工数をどれだけ減らせたのかは、今後の結果を待つ必要があります。
ドコモ、災害時の通信復旧に衛星画像を活用
NTTドコモ、NTTデータ、Synspectiveの3社は、災害時に衛星画像を活用する協定を締結しました。
大雨や地震によって道路が寸断された場合、現地へ入ることができず、基地局や通信設備の被害状況を確認できないことがあります。
今回の取り組みでは、以下の2種類の衛星画像を組み合わせます。
- 地上の状況を視覚的に確認しやすい光学衛星画像
- 夜間や悪天候でも観測できるSAR衛星画像
衛星画像と基地局の被害状況、公共機関が発信する情報を照合し、復旧の優先順位や、移動基地局車・電源車を配置する場所の判断に活用します。
あすぱらの独自解説
大規模災害では、基地局が壊れているかどうかだけでなく、「復旧車両がそこまで行けるのか」という問題があります。
上空から浸水や土砂崩れ、道路の通行状況を確認できれば、限られた人員や機材をどこへ向かわせるべきか、より早く判断できます。
利用者から直接見える新サービスではありませんが、通信を早く復旧させるためには重要な取り組みです。
北陸の大雨で通信サービスに影響
8月28日午後1時ごろから、大雨による基地局の停電や伝送路の故障により、KDDIの通信サービスが一部地域で利用しにくい状態となりました。
対象となったのは、以下の通信サービスです。
- au
- UQ mobile
- povo
- au回線を利用するMVNO
- 楽天モバイルの一部パートナー回線
- 楽天モバイル旧組み合わせプランのau回線
8月29日午後1時時点では、石川県羽咋市は復旧しています。
一方、富山県氷見市の一部では影響が続いており、緊急通報を含む通信サービスが利用できない、または利用しにくい場合があります。
対象地域では、他社の通信網を利用する「JAPANローミング」も順次提供されています。
JAPANローミング利用時のデータ通信速度は、送受信最大300kbpsです。
あすぱらの独自解説
楽天モバイルの案内で影響対象とされているのは、楽天回線全体ではなく、KDDIの設備を利用するパートナー回線エリアなどです。
今回のような災害時には、普段どの通信網につながっているのかによって影響が変わります。
JAPANローミングによって他社回線へ接続できる仕組みが実際に動いている点も重要です。
それでも、災害時の備えとしては、異なる通信会社のSIMやeSIMを2回線入れておくのが一番分かりやすいと思います。
まとめ
8月28日は、AI、衛星通信、料金競争、災害対策という、現在のモバイル業界を象徴する話題が並びました。
その中でも楽天モバイルは、Rakuten LinkのAI機能、Rakuten Turbo、衛星通信、Open RANなどを一つのモバイル体験へまとめようとしています。
HISモバイルの30GB月額1,999円は確かに強力です。
ただ、データ無制限、Rakuten Linkの国内通話、海外通信、楽天ポイントや楽天経済圏まで含めて考えると、楽天モバイルにも十分な強さがあります。
これからは「何GBで何円か」だけではなく、通話、AI、海外利用、衛星通信、災害時の安心まで含めて携帯会社を選ぶ時代になっていきそうです。
