ANAがAIRDOを吸収するらしい――そんな話が、正式発表まで進みました。
2026年10月29日、ANAホールディングスと、AIRDO・ソラシドエアの親会社「リージョナルプラスウイングス(RPW)」が、RPWの完全子会社化に向けて基本合意しました。
ただ、今回の話は「AIRDOがすぐになくなる」というものではありません。当面はAIRDO・ソラシドエアのブランドを残しつつ、中期的にはANAブランドへの統合も視野に入れる、という内容です。ここが今回の大きなポイントですね。
2026年10月29日の公式共同リリースに基づく記事です。
まずは今回の発表を整理
| 項目 | 発表内容 |
|---|---|
| 対象 | AIRDO・ソラシドエアの共同持株会社、RPW |
| 予定する方法 | 株式交換によるANAHDの完全子会社化 |
| 現在の段階 | 基本合意。最終契約に向けて協議・検討 |
| 効力発生 | 2027年4月1日を予定 |
| ブランド | 当面は2ブランドを維持。中期的にANAブランドへの統合も検討 |
発表の主体は、航空会社としてのANAではなく、持株会社のANAホールディングス。その傘下に、2社の親会社であるRPWを入れる計画です。

「吸収合併」と「完全子会社化」は少し違う
今回予定されているのは、ANAHDを完全親会社、RPWを完全子会社とする株式交換です。会社を合併してAIRDOやソラシドエアを消滅させる、と決まったわけではありません。
RPWは2022年10月3日に設立された共同持株会社で、AIRDOとソラシドエアを傘下に置いています。このRPWがANAHDの100%子会社になることで、グループとしての結び付きが大きく変わる、ということです。
これまでも資本関係やコードシェアによる協力はありましたが、今回は事業計画や収入管理、調達など、経営の中身まで一体的に動かす方向へ進みます。
当面はAIRDO・ソラシドエアを維持。その先はANAブランドも
ブランドについては、時間軸を分けると分かりやすいです。
- 当面:AIRDO・ソラシドエアの各ブランドを維持
- 並行して進めること:事業計画、収入管理、調達、施設の構築・維持管理で連携や機能統合
- 中期的な検討:ANAブランドへの統合も視野に入れる

「ブランドは残るから何も変わらない」という話でもないんですよね。公式発表には、その先のANAブランド統合まで書かれています。
北海道のAIRDO、九州・沖縄のソラシドエア。それぞれの地域とのつながりや航空ネットワークを、ANAグループの販売力・調達力などと組み合わせる方針です。ブランドをどう残すのか、どの機能を先にまとめるのかが今後の見どころになりそうです。
なぜ今、完全子会社化なのか
背景として挙げられているのは、国内航空事業の厳しさです。オンライン会議の普及などによる需要の変化に加え、円安、燃油費や人件費の上昇、人手不足が重なっています。
RPWはこれまでも、2社の空港業務やオペレーションの協業、整備業務の集約を進めてきました。それでも、グループ内の改善だけではなく、さらに大きな事業基盤の強化が必要だと判断した形です。
制度面では、大手航空会社からAIRDO・ソラシドエアなどの特定既存航空会社への出資規制が、2026年5月に廃止されたことも背景にあります。
利用者として期待したいのは、地域の路線が持続的に維持されること。一方で、運賃や便数が具体的にどうなるかは、今回の発表だけでは分かりません。
いつから変わる?予定は2027年4月1日

| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年10月29日 | 基本合意書を締結 |
| 2026年12月下旬(予定) | 最終契約を締結 |
| 2027年2月下旬(予定) | RPWの臨時株主総会で株式交換の承認 |
| 2027年4月1日(予定) | 株式交換の効力発生 |
最終契約の締結や株式交換の実施は、まだ確定していません。必要な機関承認や競争法などの手続きを前提とし、日程も変更される可能性があります。株式交換比率も、最終契約までに決める予定です。
なお、2027年4月1日は株式交換の予定日であって、ブランドやサービスを一斉にANAへ切り替える日ではありません。
予約済みの航空券、マイル、ステイタスはどうなる?
ここは乗る側として気になりますよね。今回の共同リリースでは、次の具体的な変更は発表されていません。

| 気になる項目 | 今回の発表で分かること |
|---|---|
| 航空券の価格・販売運賃 | 具体的な変更は未発表 |
| 予約済みの航空券 | 変更手続きや特別な払い戻しなどの案内はなし |
| AIRDO・ソラシドエアのマイル | ANAマイルへの統合や交換条件の発表はなし |
| ステイタス・ラウンジ | ANAの会員資格やラウンジ特典を付与する発表はなし |
| 機内サービス・機体デザイン | 具体的な切替内容や日程は未発表 |
つまり、今回のニュースだけを理由に、予約を取り直したり、マイルを急いで使い切ったりするための新しい条件は示されていません。すでに持っている航空券やマイルは、それぞれの現行ルールと個別の案内を確認するのが基本です。
AIRDOについては、以前紹介したマイル制度と新ステイタス「MILEAGE STARDOM」の記事もあります。今回の資本再編と、各社が案内している会員サービスの話は分けて見ておきたいところです。
注目したいのは、ブランド名より「使い勝手」がどうなるか
完全子会社化で、予約や乗り継ぎが使いやすくなるのか。地域路線や便数を維持できるのか。そして、マイルやステイタスはどこまで連携するのか。
乗る側にとっては、このあたりが本番ですね。ANAブランドへの統合まで視野に入ったことで、これからの発表はかなり気になります。
今の段階では、「RPWの完全子会社化へ基本合意。当面は2ブランドを維持し、中期的なANAブランド統合も検討」と押さえておけば大丈夫です。次の節目は、2026年12月下旬に予定されている最終契約です。
ANA国内線の利用ルールについては、2026年5月19日からの空港手続き変更も別記事にまとめています。
